船の運転免許である海技士は、取得するために筆記試験と口述試験に合格する必要があります。
今勉強している人や、これから海技士を取得しようとしている人の中には、
「口述試験の勉強方法がわからない!」
「過去問が手に入らない!」
といった方も多いはず!
そこで、今回は実際に1級海技士を持つ筆者が、口述勉強法を教えます!
記事の最後には、合格のための策略もお話しますね。
海技士王は、実際に一級海技士(機関)を取得した筆者によって、これから海技士の取得を目指す方々を応援し支援するサイトです。
筆記試験の勉強方法を教えて!という方はこちらをチェック⇩⇩
1 口述試験の構成を知る!
口述試験では、試験官と対面方式で出題されます。
試験官の質問に対して、口頭で答えます。指定があるときは、ホワイトボードに図などを記入して、説明したり、渡された配管図などを使って説明したりします。
そして、問題は10問!です。解答の正答率が65%を超えれば合格します。
口述問題の構成
- 乗船中の船舶の要目について(配点範囲外)
- 基礎的な知識の問題
- ディーゼル機関の問題
- 蒸気orガスタービンの問題
- 軸系orプロペラの問題
- ボイラの問題
- 補機の問題
- 電機関係の問題
- 燃料・潤滑油の問題
- 自動制御の問題
- 法規の問題
最初に乗船中の船舶の要目について聞かれる場合がありますが、これは採点範囲外です。
しかしこの内容をもとに、試験官が問題を受験者に有利に調整してくれているので、答えれるようにしておきましょう。
試験時間は、概ね1時間30分です。
ただし、解答を素早く適切に答えていくと30分程度で終わることもあります。
私も、3級海技士口述試験は20分程度で「よくわかっていますね」と言われ終了しました。
1級、2級は1時間30分みっちりでしたが、、(笑)
2 参考書の選び方
口述試験を受験するうえで重要になってくるのが参考書選びです。
ここでは、筆者が実際に、1級海技士(機関)までたどり着くのに使用した参考書をおすすめさせていただきます!
おすすめ第1位
海技士 ●E 口述対策問題集 シリーズ(海文堂)
私が実際に使用した参考書です。中には図も記載されており、比較的わかりやすいと思います。
他の参考書に比べ、問題数が少なめなのがデメリットですが、その分効率よく勉強することができます。問題を覚えるだけでなく、問題に出てきた機器や用語、仕組み等についても理解を深めていくことが重要です。
おすすめ第2位
口述試験の突破シリーズ (成山堂)
こちらも実際に私が使用した参考書です。
ポイントは、問題数が多く網羅されていること、問題ごとに難易度が何級相当であるか明示されていることです。第1位として紹介した参考書だけでは、正直なところ、問題数が不十分であると筆者は考えております。
口述試験は何度でも挑戦できますが、受験料もかかりますし、なるべく早く合格したいという方はこちらの参考書も合わせての購入をお勧めします。
おすすめ第3位
解説でわかる口述問題集シリーズ
3 【絶対読んで!】口述対策
さぁ、勉強に取り掛かりましょう!!
口述試験は、実務について問う問題が多いということを念頭に置きながら勉強を進めていきます。
勉強は3段階⇩
- 参考書で問題の理解と暗記
- 過去問を活用して、追加の学習
- 法規問題の対策
それぞれ詳しく解説しますね
3-1 参考書で問題の理解と解答の暗記
紹介した参考書などを購入したら、まず問題を確認していきましょう。筆記試験ではないので、丸暗記する必要はありません。問題に対して、解答例のような回答ができればOKです。
逆に丸暗記だけは、おすすめできません。口述試験では、必ず更問があります。更問とは、1つ回答した後に、そこから派生した内容の質問のことです。問題内容を理解していないと答えられないからです。
他にも、「自己潤滑性って何?」と聞かれるかもしれません。
赤字の回答の時点で、おそらくは8割以上点数が取れます。
そして、更問に回答することで、満点近く点数がもらえるわけです。逆に、自身の回答の言葉の意味を解説できないと、ぼろが出てしまう可能性があります!
また、とある試験官が「口述の参考書あるでしょ? あれ、半分は間違いなんだよね、間違いというか不十分であの回答だけでは満点はあげれないんだよ」と言っていたのを覚えています。
というわけで、理解!を意識して勉強を進めていきましょう!
理解できない問題などがあれば、問い合わせにぜひコメントしてください。
それに応じた記事をアップするようにしていきたいと思います。
3-2 過去問を活用して、追加の学習
口述試験の一番の問題点、それは参考書に試験で出題される問題が網羅されていないということです。筆者の1級海技士受験時の感覚として、参考書から出題された問題は、約半分。それ以外は別の問題です。だからこそ、過去問のチェックが重要なのです。
【問題】では、口述過去問は何処で見れるのか?
【解答】公式に存在しません。
そこで、当サイトで自身の経験と独自に過去問を収集し、予想問題として共有していきますので活用してください!
<お願い>
口述過去問は、受験された方のご厚意で共有して頂いております。無断転載等はお控えください。もちろん、個人の勉強にはガンガン活用してください‼ また、実際に口述試験を受験された方は当サイトのお問い合わせフォームから共有して頂けると幸いです。
3-3 法規問題の対策
筆者は、法規問題の対策が1番重要であると考えます。法規(法律)問題は必ず1問出題されます。
法規問題は、正解か不正解しかなく、点数が100点か0点のどちらかです。
そのため、確実に正解したい!のです。この問題を正解することで、合格確率をグンっと高めてくれます。
法規問題を完璧にすることで、下記の戦略で合格できます。
問題 | 点数 |
---|---|
1 | 80点/100点 |
2 | 80点/100点 |
3 | 80点/100点 |
4 | 80点/100点 |
5 | 80点/100点 |
6 | 20点/100点 |
7 | 60点/100点 |
8 | × 0点 |
9 | 80点/100点 |
10 | 100点/100点 |
合計 10問 | 合計 660点/1000点(66%) |
法規問題が合格の土台となる理由がわかっていただけましたでしょうか。法規問題を正解できれば、他の問題で平均61%とれれば合格できるわけです。
では、どのように勉強するか。
- 海技試験六法or海技六法を購入する
- 試験1~2週間前に当サイトの法規予想問題(過去問)をひたすら自分で引いてみる。海技士王サイトの利用!!
この2ステージです。
口述試験は、海技試験六法もしくは海事六法が持ち込み可能です。(持ち込み可能物品について)
おすすめは、海事試験六法です。
国土交通省海事局監修であり、海技試験のための六法なのでとても引きやすく、法律の条文に関する省令等につても、条文ごとに細かい索引がついてます。
試験当日に、法律は覚えているけど、条文に出てくる国土交通省令はわからないとなったときに、この索引で答えまでたどり着くことが可能なので、安心です。
手元に海技試験六法が届いたら、下記リンクから法律予想問題を確認してください。過去問等から実際に出題される法規問題を掲載しています。
これを試験の1週間前と数日前に自分で引いておくことで、当日も解答にたどり着けるはずです。
リンク先では、さらに具体的な法律問題の勉強方法もお教えしますね!
4 受験時の注意事項
最後に、筆者の経験を共有しておこうと思います。
口述試験の試験官も人間ですので、受験時の印象は大事です。なるべくフォーマルな恰好で受験することをおすすめします。
次に、海技試験六法ですが、なるべく最新版を買っていきましょう。これも試験官の心象に影響を与えます。
実際に、あまりにも古い六法を持って行った場合には、「法律の改正あったけど、それで答えれるの?」といったことを言われる場合があります。
海技試験六法は毎年3月に最新版が発売されるので注意してくださいね。
最低でも3年以内、ベストは最新版!と覚えておきましょう!
また、試験中「わかりません」は絶対に言わないこと!
というのも、試験官は、受験者が解答に困っている時、ある程度ヒントを出してくれる場合があります。
これを活かすためにも、「わかりません」は言わずに、必死に解答を考えたり(最低でも考えるフリ!)、キーワードになるような単語をボソボソ言ったりしてみるようにしましょう!
海技士王では皆さんの受験勉強を全力で応援します!