1級機関その1は、全13問であり、過去問からの出題となっています。
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さっそく解いていきましょう!
問題
1蒸気タービンのノズル内における蒸気の過飽和についての問題
飽和蒸気又は過熱度の低い蒸気を、蒸気タービンのノズルから急速かつ短時間に膨張させると、飽和線を越えてもしばらくの発生が遅延して、いわゆる過飽和現象をおこす。そして、ある極限に至って不連続な上昇を伴って急に凝縮し始める。蒸気h-s線図上に記入されるウィ ルソン線は、この線を示す。その位置は、ノズルの種類及び角などの条件によって相違し、急激な膨張の場合には4.5%の度線 にほぼ一致するが比較的緩慢な膨張では約2%の【1E】度線付近まで移動する。
2ガスタービンの燃焼器に関する問題
(1) 燃焼器入口から出口までの間の全圧損失を燃焼器の圧力損失という。 これは通路壁面での損失、渦流の発生などによる損失及び燃焼による加熱膨張損失などを加え合わせたものである。
(2) 燃焼器出口の燃焼ガスの半径方向温度分布を出口温度分布という。こ の温度分布は内径側でく、外径側に向かってくなるほうが望ましい。これは、タービン動翼に作用する力及び応力が根元で最大となるため、根元にかかる負担をできるだけ少なくして、動翼の耐久性を増すためである。
3ガスタービンの燃焼器内の燃焼に関する問題
供給した燃料を完全燃焼させるために理論上必要な空気の質量と、その 燃料の質量との比を理論比といい、くらいの数値となる。
実際に燃焼器に送り込まれる空気量は、燃焼に必要な空気量の倍 にもなるので、そのままでは空気と燃料の混合気が過ぎるので燃焼 しない。このため、一次燃焼領域に入り燃焼に直接用いられる一次空気の流入量を制限している。また、旋回などにより一次空気に強い旋回を与え、気流に適度のを起こさせて、流入速度のと速度の増加を図っている。
その結果、広範囲な負荷変動に対して常に安定した連続燃焼が得られるようになっている。
4ガスタービンの翼の空気による冷却に関する問題
(1) タービン入口ガス温度の上昇はガスタービンの熱効率を向上させる。タービン入口ガス温度が、℃を超えるものも現れているが、これを可能にしたのは耐熱合金,耐熱、鋳造方法の発達、改良に加え、空気冷却翼技術の導入によるものといえる。翼の空気による冷却法には、膜冷却やインピンジメント冷却などがある。
(2) 膜冷却は、翼表面の小孔から空冷却空気を吹き出させ、 膜を形 成して翼温度を低く保つ冷却法である。
(3) インピンジメント冷却は、冷却空気を翼内面に状に吹き付け、そのとき得られる高い熱率を利用する冷却法である。
5ガスタービンのタービン翼の材料及び加工に関する問題
(1) タービン翼の材料に必要な性質は、熱衝撃や熱疲労に強いこと、高 温腐食に対して安定であること、高温特性が優れていることであ る。一般に、超耐熱合金といわれる基合金が使用されている。
(2) タービン翼の鋳造には法で知られる精密鋳造法が多く用いられる。
(3) タービン翼のコーティング法として溶射が広く用いられる。 コーティングの主目的は、上記(1)で述べたタービン翼の材料に必要な材 質のうち、 性の向上である。
6ディーゼル機関の吸気カム及び排気カムに関する問題(語群から選べ)
(1) 接線カムは、基礎円,先端円及びこれらと接する からなる輪郭のカムである。接線カムは、が大きいので高速機関には適さない。
(2) 等加速度カムは、カムリフト曲線の加速度が正及び負の一定値となるカムである。このカムリフト曲線は、2つのを組み合わせたものになる。等加速度カムは、接線カムよりも開弁時間面積が大きく、低速 機関及び中速機関のを増す場合に使用される。
(3) 弁機構の弾性変形を考慮に入れ、弁に必要な変位を与えるような形状 のカムを{{6E}} カムという。
【語群】
掃気量 放物線 速度 ポリノミアル 凹面 出力 円弧 騒音 加速度 直線 回転 衝撃 リフト 双曲線 だ円 ポリダイン
7ディーゼル機関の排気干渉に関する問題
(1) 多くのシリンダが共通の排気管に連結されている場合、あるシリンダの排気作用が次のシリンダの排気吹出しによって阻害される現象をという。これを避けるには排気の時間が重ならないように排気管をるか、排気管をする。
(2) 排気管系の動的効果はニサイクル機関では特に顕著で、排気吹出しに続く波を掃気期間の期に同調させ掃気効率をよくする。
(3) 排気管にを取り付けると、【7D】波が大きくなり、かつその持続時間も長くなるので、同調回転数範囲を広げることができる。
8ガスタービンの燃焼器内の燃焼に関する問題
燃料噴射ポンプのプランジャが燃料油を圧縮し始めてから、燃料噴射弁 が開き始めるまでの時間を噴射遅れという。この時間をt₁、t₂及びt₃の3つに分けた場合、t₁は、ポンプ胴内で燃料油が残留圧まで圧縮され、燃料 噴射管に送り出されるまでの時間で、残留圧、ポンプのとよって影響される。t₂は、燃料油のが燃料噴射管を伝わるために要する時間で、燃料噴射管の長さに影響される。t₃は、残留圧から噴射弁のまで圧力が上昇する時間で、残留圧、【8A】、燃料噴射管の長さ及び【8D】 によって影響される。t₁及びt₃は、機関の回転速度が大きくなるとなるが、t₂は、一定であるから、ある回転速度以上では高速になるほど、 また、残留圧が低くなるほど噴射遅れ角は、大きくなる。
9ディーゼル機関の設計に際して、高速機関と低速機関の選択に関する問題
(1) 同一出力の機関では、平均ピストン速度が大きいほどシリンダ径を小さくすることができ小形・軽量になるが、平均ピストン速度の2乗に比例して往復運動部分の力による圧は増加する。小形機関は 往復質量が割合に小さいので、大形機関に比べて平均ピストン速度を大 きくすることができる。また、平均有効圧及び平均ピストン速度を一定 とした場合、回転数を大きく選べば行程は短くなり単位当たりの 出力を増すことができ軽量になる。
(2) 機関の寿命は、シリンダの摩耗によって大きく左右されるが、シリンダの摩耗量は、潤滑状態及び燃焼状態を一定とすると、ピストンの往復回数、及びに影響される。したがって、他の条件が同じとすると往復回数が多いほど摩耗が多くなり、また、機関回転数が大きくなると燃焼が悪くなり燃料消費率も増大して負荷が増加し、機関 の寿命を短くする。
10ガスタービンの燃焼器内の燃焼に関する問題
(1) 伝熱面を構成する鋼材は、スケールの付着や水循環の不良などの原因により温度が上昇し、そして温度の上昇とともに強度が低下する。ある温度に達すると、鋼のに変化を生じ、強度は、著しく減少する。 この場合には、などの熱処理により、もとの性質を回復することが可能である。このような状態になることを過熱という。
(2) 過熱がさらにすすみ溶解点近くの高温になると、の一部が燃焼するので、熱処理を施しても、もとの性質を回復することができなくなる。この状態になることを}という。
11ボイラ水中のシリカに関する問題
ボイラ水中のシリカは、ボイラ圧がくなるほど激しくを起こし、過熱器管内やタービン翼などにシリカ質のを付着させる害を生じる。しかし、ボイラ水のpHがいと、シリカの溶解度がくなるので、ブローによってボイラ外へ排出することができる。
12ボイラの清浄剤に関する問題
(1) は、ボイラ鋼板に作用して、りん酸鉄の皮膜をつくり、腐食やスケールの付着を防止する。
(2) は、高圧ボイラに使用すると、してスケール防止効果が少なくなり、か性ぜい化の原因となる。
(3) は、ボイラ水のpHが高い場合、適度にするため使用する。
(4) は、ボイラ水中の溶存酸素と反応して、窒素とを生成し、水中全固形物は増加しない。
おわりに
1級海技士(機関)筆記試験その1に出題されるのは、この13問!
反復練習して、確実に取れるようにしましょう。
それでは、その2、その3にも目を通しましょう!