蒸気タービンとは、簡単に言うと、

燃料を燃やして、水を蒸発させ、その蒸気をタービンと呼ばれる風車に高速で当てて回転させ、その風車の回転を、動力として取り出すものです。

風車の回転は、発電機や船のプロペラに伝達され、運動エネルギーとして利用されます。

構成は?

船での蒸気タービンの使用は、以下のような構成になっており、船の推進や発電に使われています。

水をボイラで沸騰させ、蒸気にして、これをタービンに吹き当てて、プロペラを回します。

そして、タービンを出た蒸気は、復水器で冷やすことで水に戻して、再びボイラに供給されます。

内燃機関(ディーゼル機関)は作動流体が燃焼ガスなのに対し、蒸気タービンは水(蒸気)が作動流体になるわけです。

もう少し詳しく、

上記の図のような一連の構成をタービンプラントといいます。

ここでのボイラを主ボイラといい、補助ボイラとは異なり、最高圧は6MPa、温度は575℃近くまであります。

そして、蒸気タービンは機関の分類としては、

クロードサイクル外燃式速度形熱機関

と言われます。

しかし、この分類まで海技士試験で問われることはありません。

1つだけ覚えておきたいのは、内燃限定の海技士免許を取得した場合は、蒸気タービンを主機とする船に乗ることはできません。蒸気タービンは外燃機関だからです。

現在の蒸気タービン

海技士に関係ありませんが、

商用の船は、その機関出力が1500㎾ から44000㎾程度と言われており、この出力を出せるのはディーゼル機関か蒸気タービンの2種類しかありません。

一般的なのはやはりディーゼル機関になりますが、LNG船については発生するボイルオフガスを有効に活用するため、蒸気タービンが使われています。

ディーゼル機関と競合しつつも、着実に技術革新を続けており、今後とも船の主要な機関として地位を占めることになるはずです。

なお、世界で最初の蒸気タービンは、B.C120年にアレキサンドリアのヒーロが記述した装置で、ヒーロのタービンと呼ばれるもので、これが元祖反動タービンです。

二千年以上も前には、すでに発明されていたんですね。

昔の人すごい!